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−異種デバイスの高密度集積を擬似SoCで実現−

2013年08月06日

 東芝ホクト電子株式会社は,多様な異種デバイスを,高密度に集積する擬似SoCの量産化技術を確立しました。本年10月から,量産を開始します。  擬似SoCは,異種デバイスを樹脂中に封止して,微細配線で相互接続する集積技術です。回路配線基板を使用しないため,SiPよりも高集積化が可能となります。擬似SoC量産技術の確立にあたり,異種デバイスを樹脂中に封止したときの位置精度確保が課題でしたが,新たな樹脂成型プロセス導入と,使用する樹脂物性の最適化で解決しました。微細配線形成に関しては,東芝ホクト電子株式会社のコア技術である半導体薄膜プロセス技術を適用しました。電子部品の薄型化など,多様な製品スペックに対応するため,擬似SoC裏面研磨技術と共に,ボード実装技術も同時に確立しました。  擬似SoCは、インテリジェント生体信号センサー (SilmeeTM)プロトタイプのアナログフロントエンド(AFE:Analog Front End)回路部に適用されています。将来的には,無線LANモジュール,電源回路モジュール,スマートセンサーなどの小型化に大きな需要が期待されています。  擬似SoC技術は,株式会社東芝研究開発センターが,独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業として実施した研究成果の一部を利用しています。今後は,東芝ディーエムエス株式会社が擬似SoCの設計を行い,東芝ホクト電子株式会社が擬似SoCを量産製造する体制で対応していきます。

 擬似SoC技術:ウエハ上に異種デバイスを再配置することにより,SoC相当の小型化とSiP相当の設計自由度を両立する技術で株式会社東芝研究開発センターが開発した技術。  SilmeeTM:株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社が試作した,脈波・心電図・体温・体動などの同時センシングが可能なインテリジェント生体信号センサー。  SoC技術:半導体製造技術を適用することでシリコン基板上に大規模回路を集積する技術。製造プロセスが異なる異種デバイスはワンチップ集積できない制約がある。  SiP技術:既存の半導体デバイスを回路配線基板上に集積する技術。混載する異種デバイスの種類に制約はないが,設計寸法が回路配線基板のデザインに依存するため集積密度に限界がある。  NEDO助成事業:「高集積・複合MEMS製造技術開発事業」における「高集積MEMS擬似SoC製造技術の研究開発」



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